税金のイロハ「法人税・GST編」

新年度が開始され、各企業では昨年度のレポート作成で忙しい時期。ほとんどの法人では会計事務所に依頼して作成してもらうのが一般的だが、法人税やGST 、FBTなどの内容に関しての知識があいまいな方も多い。今回はこの内容をおさらいし、各税金の内容を理解する。

◆法人税
法人として事業を営む場合に、売り上げた収入から支出を差し引いた売上利益に対して支払う税金が、法人税となる。税率は、一律28%となっている(2018年4月15日付)。また、税務申告書を毎年記入し、期限までに税務署(IRD:Inland Revenue Department)に提出しなければならない。法人税の税率は、個人事業主や企業、非営利団体などがあり、事業の種類によっても異なる。

◆控除できる経費の例
◇出張した際の交通費や飲食など
◇接待費(Entertainment Expenses)
• 50%;クライアントとの飲食(ビジネスランチやパブで飲食)
• 100%;公けで行うファンクション費、イベントなどのスポンサーや広告掲載、プロモーション費など

※被雇用者の場合に関係する税金;
• PAYE(Pay As You Earn):給与の所得に対して支払う税金。被雇用者(雇われている人)の場合は雇用者(雇用する人)が給与から差し引いて税務署に納税する。
• Income Tax:所得税。個人の所得に対して課税される税金。被雇用者で給与以外の所得(賃貸収入や投資収入など)がある場合は、申告をして税金を納める必要がある。
• Tax Return:日本でいう確定申告。給与以外の年間所得(銀行利息など)を再計算して申告。退職した場合やタックスコードを間違えて申告していた場合なども同様に申告する。

◆付加価値税・付加給付税
◆物品サービス税・付加価値税(GST:Goods and Services Tax)
物品やサービスなどの提供に対してかかる税金で、税率は一律15%となっている(2018年4月15日付)。
• スーパーなどで購入する商品の金額には、GSTが含まれているのが一般的
• 居住用家屋の家賃、銀行ならびに他の金融機関の手数料は対象外(非課税)
• 国外から輸出した品、購入した商品などはゼロレート(0%、非課税)
※ニュージーランドでの年間売上高が6万ドル以上の場合は、GST番号の登録をする必要がある(6万ドル以下の場合でも登録可能)。

 

◆付加価値税の払い戻し(GST Return)

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事業者は、製品やサービスを販売した場合に預かった付加価値税を国税局に納めることになるが、事務所の家賃や通信費など支払った経費に含まれている付加価値税(GST)について差し引いた金額の付加価値税(GST)を納めること、つまり払い戻しをすることができる。

申請時期は、事業の大きさによって、1、2、6ヶ月毎に申請するのが一般的。国外からの収入や支出に関しては非課税となる。

 

GSTの払い戻し申請をする際に用意しておく書類
• 全ての支払済領収書(ガソリン、電気代など)
• 請求先の名称、GST番号などが必須($50~$100の場合(GST込)
• 請求先の名称、GST番号、住所、使用用途などが必須($1000以上の場合(GST込)
• 帳簿で記録(ノート又はコンピューター)、エフトポスシート、領収書、銀行ステートメント、車両ログブック、海外で購入した領収書

※GST番号の登録をしていない場合は、GST申告の対象にはならない。

◆付加給付税(Fringe Benefit Tax:FBT)
雇用者から被雇用者に供与される経済的利益に対して課税対象となる(日本の福利厚生費のようなもの)。例えば、社有車の供与、商品やコンサルタントなどのサービスを無料もしくは市場価格より低価格で提供、低利の貸付け、医療保険料などが含まれる。税率は被雇用者が提供を受けた報酬(FBICR:Fringe Benefit Inclusive Cash Remuneration )によって異なり、金額に応じた税率で計算され、その合計を支払うこととなる($55,981以上は49.25%、$40,581 ~$55,980までは42.86%、 $12,531 ~$40,580までは21.21%、$0 ~$12,530までは11.73%)。申告支払い時期は、年4回、年1回、所得税を申告する時の3タイプがある。

 

※会計に関する書類は、7年間保管することが義務付けられている

◆その他の税制
◇銀行利息および配当金などに対する税金(RWT:Resident withholding Tax)
◇事故補償制度(ACC:Accident Compensation Corporation)
雇用者である会社や個人事業者の場合、必ず支払う義務がある税金の一種。4月過ぎにエーシーシー・レビー(ACC LEVY)を計算した請求書が届く。被雇用者の場合は、給与から天引き、収入のない主婦や子ども、学生、旅行者の場合も、車の登録費用やガソリン代などに含まれている税金で支払うこととなる。
この制度は、ニュージーランド国内で事故などで発生した傷害に対して補償するもので、対象はニュージーランド国民や長期滞在者、短期訪問者すべてに適用される。運営しているのは、行政機関(Crown Entity)でもあるACC(Accident Compensation Corporation)。

※ 被雇用者が、給与から天引きされて支払うACCの金額(Earner Levy)は、一律で100ドルに対して1.39ドルとなります。雇用者が支払うACCの金額(Workplace Levy)は、職種によって支払額が変わります。例えば、林業労働者の職種は事故が多いのでWorkplace Levyが非常に高く100ドルに対して3.30ドル、オフィスワーカーの職種は事故が少ないのでWorkplace Levyが低く100ドルに対して0.28ドルと決められています。支払額はそれぞれの職種のクレーム履歴で決まっています。

◇キウィセーバー(Kiwi Saver)
被雇用者がキウィセーバーに加入した場合、賃金または給与所得(税引き前)の3、4、8%のいずれかを所得から控除し、被雇用者の所得(税引き前)の最低3%分を税務所を経由して納めることが義務付けられている(被雇用者が加入しないまたは一時的にストップしている場合は、雇用者に3%納める義務は発生しない)。
この制度は、18歳から65歳までの全ての労働者を対象とし、ニュージーランド国民の貯蓄率アップ、退職後の生活や、初回の個人住宅購入補助を目的として設立された任意の年金保険制度。今後新しく職につく人(転職も含めて)は、自動的に最低2週間キウィセーバーに加入し、8週間の間に継続するかどうかを決定しなければいけない(尚、継続しない場合は支払った保険料は払い戻される)。

◇暫定(ざんてい)税(Provisional Tax)
課税年度中に残りの所得税が2,500ドル以上であれば、暫定税を払う責任があり、この課税年度の所得税の分割払いとして納められる。

◇二重課税協定(Double tax agreements)
ニュージーランド国内と国外の地域とで収入がある場合、 所得に対しての課税が二回課せられる可能性がある。この二重課税を防止するために、 ニュージーランドは日本並びに主要貿易投資相手40カ国の地域と二重課税防止条約を締結している。

この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.98(2018年5月号)」に掲載されたものです。

投稿者: kjadmin