- 2020年5月22日
「新しい躾」宮本百合子（青空文庫より）
この半年ばかりのうちに、私たちの生活におこった変化は、日本のこれまでのいつの歴史にもその例がないほど、激しいものです。日本は今、非常な困難とたたかいながら […]
- 2019年12月24日
「元日」夏目漱石（青空文庫より）
元日を御目出たいものと極めたのは、一体何処の誰か知らないが、世間が夫（そ）れに雷同しているうちは新聞社が困る丈である。雑録でも短篇でも小説でも乃至（ないし […]
- 2019年8月24日
「樹木とその葉-若葉の頃と旅」若山牧水（青空文庫より）
櫻の花がかすかなひかりを含んで散りそめる。風が輝く。その頃から私のこゝろは何となくおちつきを失つてゆく。毎年の癖で、その頃になると必ずの樣に旅に出たくなる […]
- 2019年7月22日
「鍋料理の話」北大路魯山人（青空文庫より)
冬、家庭で最も歓迎される料理は、なべ料理であろう。煮たて、焼きたてが食べられるからである。 なべ料理では、決して煮ざましを食べるということはない。クツク […]
- 2019年5月22日
「秋と漫歩」萩原朔太郎（青空文庫より）
（中略） だが私が秋を好むのは、こうした一般的の理由以外に、特殊な個人的の意味もあるのだ。というのは、秋が戸外の散歩に適しているからである。元来、私は甚だ […]
- 2019年4月22日
「だしの取り方」北大路魯山人（青空文庫より）
（中略） 日本にはかつおぶしがたくさんあるので、そう重きをおいていないが、外国にあったら大変なことだ。外国人はかつおを知らないし、従ってかつおぶしを知らない […]
- 2019年3月22日
「秋風と母」尾崎士郎（青空文庫より）
（中略） 夜になって母の発作はよほどおさまりかけた。然し、彼女は烈しい疲れのために寝そべったまま身体を動かすことが出来なかった。その寝姿を見詰めていると私 […]
- 2019年2月22日
「秋の暈」織田作之助（青空文庫より）
秋という字の下に心をつけて、愁と読ませるのは、誰がそうしたのか、いみじくも考えたと思う。まことにもの想う人は、季節の移りかわりを敏感に感ずるなかにも、わけ […]
- 2019年1月22日
「飴チョコの天使」小川未明（青空文庫より）
青い、美しい空の下に、黒い煙の上がる、煙突の幾本か立った工場がありました。その工場の中では、飴チョコを製造していました。 製造された飴チョコは、小さな箱 […]
- 2018年12月21日
「数の子は音を食うもの」北大路魯山人（青空文庫より）
お正月になると、大概の人は数の子を食う。私は正月でなくても、好物として、ふだんでもよろこんで食っている。なかなか美味いものだ。 さて、どんな味があるかと言 […]