自然のことだま(第11回)

By はづき┃Instaguram:nzhazuki┃w:malumaluhazuki.com

私が楽しいときには、その星は、空で一緒に笑ってくれます。

落ち込んだときには、私の枝の中まで降りてきて、黙って暖めてくれます。

泣いてしまうときには、そっと口づけるように涙をぬぐい、歌を聴かせてくれます。

そんなことが、もう、何十年も続いているのです。

私は、相変わらず同じようなことで笑い、

同じようなことで落ち込み、

同じようなことで涙を流します。

星も、変わらず、同じように光ってくれます。


あるとき、私は言いました。

「少しも変われなくて、ごめんね」

すると星は、少しはにかんで答えてくれました。

「僕は、ずっとずっと前から君を知っているんだよ。土から顔を出すよりも、ずっと前から」

驚いて声も出ずに目を合わせる私に、星は、

「君は、あのときからずっと、毎日変わっているし、少しも変わっていないよ」

と、はにかみを微笑みに変えて続けました。

「いいじゃない、それで」

と、また頭を揺らして歌いながら。

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