新年明け早々、アカデミー賞前哨戦として注目度も高い、ゴールデングローブ賞が発表されました。結果、栄えある映画作品賞は、「6才のボクが、大人になるまで。(Boyhood)」と、「グランド・ブダペスト・ホテル(The Grand Budapest Hotel)」に!いかにもハリウッド的な大作娯楽映画ではなく、良作を選んでくれたのが映画好きには嬉しいです。主題歌賞は、キング牧師の公民権運動を描いた「セルマ(Selma)」の、コモンとジョン・レジェンド(Common& John Legend)の「グローリー(Glory)」。「セルマ」とは、アラバマ州の都市の名前で、1965年、人間としての平等の権利を求めた黒人たちが、この街からモンゴメリーを目指して出発。これがわずか50年前のアメリカでの出来事だと思うと、衝撃的であるとともに、根深い黒人差別を感じます。2014年に勃発したファガーソン騒乱にも言及したこの曲は、アカデミー歌曲賞にもノミネートされました。果たしてオスカーの行方は!?
One son died, his spirit is revisitin’ us
ある息子が死んだけど、彼の魂は我々の元に還ってくる
Truant livin’ livin’ in us, resistance is us
怠惰は我々の中にあるけど、それに逆らうことができるのも我々だ
That’s why Rosa sat on the bus だから、ローザ・パークスはバスで白人席に座ったんだ
That’s why we walk through Ferguson with our hands up
だから、我々は両手を挙げてファガーソンを行進するんだ
When it go down we woman and man up
打ちひしがれるとき、我ら、女も男も立ち上がる
They say, “Stay down” and we stand up
あいつらは「下がっていろ」と言うけど、我々は立ち上がる
Shots, we on the ground, the camera panned up
銃声、我々は地面に伏せるけど、カメラは上を向く
King pointed to the mountain top and we ran up
キング牧師は山頂を指差し、我々は駆け上るんだ
我等(がとう)あり:美大時代に映像制作を学び映画にはまる。
この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME(2015年3月号)」に掲載されたものです。