今回は前回に引き続き、国際バカロレア(IB)の初等教育プログラムであるPYP(Primary Years Program)について、もう少し掘り下げてお話ししたいと思います。
PYPは精神と身体の両方を発達させることを重視していますが、ディプロマプログラム(DP)と異なりどのような言語でも提供可能なので、様々な国で採用され始めています。
PYPのカリキュラムは、国際教育で不可欠とされる人間の共通性に基づいた以下の6つのテーマについて、科目を超えた横断的な学びが行われます。
- 私たちは誰なのか
- 私たちはどのような時代と場所にいるのか
- 私たちはどのように自分を表現するか
- 世界はどのような仕組みになっているのか
- 私たちは自分たちをどう組織しているのか
- この地球を共有するということ
NZでも元々inquiry型の学びを初等教育で重視していますが、PYPではその内容がよりグローバルでかつ深いものになっていることが特徴です。これらの学びを通して子供達は、自然と「地球人」として成長していくことができます。これはグローバルAI時代に必須のスキルであり、初等教育でこのスキルを身につけられることは、子供達にとって大きなギフトとなることでしょう。
Taku Yamaguchi (山口たく):TERRA INTERNATIONAL EDUCATION SERVICES.JNZ(TIES.JNZ/タイズ・ジェーエヌジー)代表。NZ留学&国際バカロレア受験コンサルタント。元名門進学教室塾講師として最難関国公私立中高に多数の合格者を輩出も、受験教育に疑問を持つ。子供の理想教育を求めてNZに教育移住し、現地在住生用のTerra寺子屋塾を開塾。塾天にて国際バカロレア対策や帰国子女向けの指導を実施。現在オークランド在住。二児の父。
著書『学校教育がガラッと変わるから 親が知るべき 今からの子どもの教育(風鳴舎刊)』
Web: https://www.ties-jnz.com/ │ Mail:ties.jnz@gmail.com│Phone: +64 9 555 0758/Mobile: +64 27 513 3430
この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.105(2018年12月号)」に掲載されたものです