全世界を一世風靡し、「ロッキー」後、燻っていたシルヴェスター・スタローンのアクションスターの地位を不動のものとした「ランボー」シリーズ。第1作目「ランボー（First Blood）」から37年の歳月を経て、御年なんと73歳のスタローンが再びジョン・ランボーを演じる。その名も「ランボー5/ラスト・ブラッド（Rambo : Last Blood）」。第1作目が先制攻撃の「First Blood」なら、今作の「Last Blood」はさながら留目の一撃になるのだろうか？
1955年から1975年まで、20年間続いた泥沼のベトナム戦争終結から更に44年の月日が流れ、かつてのベトナム帰還兵も生きていれば老人と呼べる齢に達した。アメリカ陸軍特殊部隊（通称グリーンベレー）の精鋭として、熾烈なベトナム戦争を生き抜いたランボーも、故郷のアリゾナの牧場で静かな隠遁生活を送っていたのだが、そうは問屋が卸さない。親友の娘がメキシコで最も凶悪な麻薬カルテルに誘拐されたと知り、救出すべくランボーは老体に鞭打ち再び立ち上がるのだ。
舞台は、第1作目の反戦運動色濃いアメリカ本国から、第2作目はまだ残党兵のいる共産国家ベトナム、第3作目は冷戦時代のアフガニスタン、第4作目は軍事政権下のミャンマーと、何かと政治色がきな臭い場所を移行してきたが、今作は彼のトランプ大統領が何かと物議を醸しているメキシコだというのも興味深い。