Culture within by Snoopysan

色彩がはじけている。

しかしこの絵の本当の見所はそこではない。謎に満ちた

ミステリアスな作品であり、三層から成る複雑な構成だ。この画家は「頭」をよく使う「考える人」に違いない。

まず表層の1層には、比較的判別しやすい「物」「生き物」「文字」「シンボル」が散りばめられている。メインは鳥にも見える足だが、歯をむき出しにした二角獣、コル(あるいは巻貝?)、波、陰陽、稲妻など認識できるものが見られる。この時点で多分化が題材にされていることは想像つくが、この作品はそのような単純なものではない。

二層目はパズルのような「形」の集合体だ。パズル片だけを追っていくと、有機体の破片が絵全体を装飾しているのが分かる。それぞれ色分けされているパズル片は美しいシェイプであり、抽象画を鑑賞しているようだ。

そして三層目だが、二層目の下に隠れていて見えづらいが、「足」全体を世界地図として見てみると、ぼんやりと見えてくる。いや、初めからはっきりと見えているが、鑑賞者には「違和感」としてしっくりこない部分かもしれない。色に惑わされてはいけない。注視するのは「塗り方」と「描き方」。絵の具で塗りつぶされたエリア、細い鉛筆線で描かれたエリア、絵の素材が見えているエリア。まさに三大陸である。そしちぇ絵の具で塗りつぶされたエリアは、フラットで均等に塗られた箇所、グラデーションがかかった箇所、さらには足首から甲にかけた鱗のようなもので埋められた箇所がある。つまり絵のエリアによってそれぞれ国があり、文化・言葉(=パターン・テキスチャー・明彩など)が異なっているのだ。

異文化が混ざり合った一見統一感がないように思える作品だが、実は異質なものさえも調和させてしまっている。見事なオークランドのような作品である。

 

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この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.105(2018年12月号)」に掲載されたものです。

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