前回からはNZと日本の教育の3つの違いについて、教育システムの違いの観点からお話ししました。3回目の今日は2つ目の、文化的価値観の違いについてお伝えしたいと思います。
日本は最近でこそ外国人の方が多く住むようになってきましたが、それでも比率としてはそれほど大きいとは言えません。日本人社会では「空気を読む」という言葉が象徴するように、同じような価値観を何となく分かり合うことが出来ることが必要です。そうした環境下では共通の価値観や考え方を共に学ぶことが重要となります。つまりある知識や考え方を「覚える」インプット型の学習が必要となるのです。この点日本式の集団一律指導は、この目的達成には非常に適した制度と言えます。
逆に文化的バックグラウンドの異なる多様な人々が共存して成り立っているニュージーランド社会では、互いを尊重し合いながらも対話を通して社会的価値観を形成していくことが必要です。そのためには、個を重視したアウトプット型のスキル育成が重要となります。
このように日本とニュージーランドでは、社会が求めているスキルに差異があります。どちらが優れているということではなく、将来子供がどちらの社会で働くのかも考慮しながら、どのような教育を子供に与えていくべきかを親はじっくり考えていきたいものです。
いかがでしたでしょうか。次回はからは新しいテーマである「日本語学習のオプション」についてお話ししていきたいと思います。