戦後最大の教育改革〜2020年問題 ①

 

 2020年問題という言葉を聞いたことがあるでしょうか。実は今日本では、戦後最大とも言われる大教育改革が行われようとしています。

 これまでも文部科学省は学習指導要領の変更を通して、授業時間の変更やゆとり教育の導入、英語学習時期の前倒しなど、様々な改革を行って来ましたが、こうした改革の効果は結局、限定的な効果しか生んで来ませんでした。その一番の原因は、大学入試というゴール自体に何の変更も加えられてこなかったからです .

 しかし今回の変更でついに、大学入試制度はもちろん、大学の教育のあり方にまで踏み込んだ、抜本的な変更が行われます。今月はまず、その概要についてお話ししましょう。

 まず1979年に始まった共通一次試験から実に40年間続いたセンター試験が、2019年の試験を最後に廃止され、2020年からは記述式を含む『大学入学共通テスト』がスタートします。また英語の試験では『読む・書く・聞く・話す』の4技能を図るため、英検やTOEICといった外部試験を使った判定への変更が検討されています。

 これらの新試験は2020年から始まりますので、現在日本の学年で高校1年生以降のお子さんをお持ちの方は必ず影響を受ける大変更です。さらにこうした試験に対応するため、高校の教育方法自体も変更が加えられる予定です。

 次回はこうした新テストの詳細と、高校の教育がどのように変わるのかについてお話しする予定です。

 

Taku Yamaguchi
TIES.JNZ代表。NZ教育コンサルタント。元名門進学教室塾講師として御三家中や最難関国公私立高に多数の合格者を輩出も、受験教育に疑問を持つ。子供の理想教育を求めてNZに教育移住し、現地在住生用のTerra寺子屋塾を開塾。塾天にて国際バカロレア対策や帰国子女向けの指導を実施。現在オークランド在住。
Phone : 027 513 3430
この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.93(2017年12月号)」に掲載されたものです。
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