前回は海外在住子女の日本語学習の第1のオプションとして、日本語補習校のメリットデメリットについてお話ししました。今回は日本語学習の第2のオプション、塾のメリットデメリットについて一緒に考えていきたいと思います。
ニュージーランドにある塾には日本のような大手は存在せず、基本的にアットホームのものがメインとなります。そのため子供一人ひとりのニーズに合わせて、細やかなサービスが受けられることが最大のメリットといえるでしょう。海外での日本語学習で一番苦戦するのは、子供によって学習のペースが異なること。前回お話ししたような、補習校が超えられない「集団一律の学年別カリキュラム」による弊害を回避でき、人クラスの人数も少ないことから、フレキシブルで手厚い指導システムが最大の特徴と言えます。また現地校の学習指導も受けられるなど、学習の自由度が高いのも魅力です。
一方で塾にも当然、デメリットがあります。一つには補習校と比べ、学費が高いことが挙げられます。これは国からの補助金がないので、仕方がないですね。また補習校のような様々な文化を学ぶ行事が少ないのも、デメリットになり得ます。ただ塾はもともと学力を伸ばすことが目的の施設ですので、これも仕方がないことではないでしょうか。
こう考えると塾は、友達を作ったり文化を学んだりということではなく、純粋に日本語力や学力を効果的に伸ばしたい人に向いている選択と言えそうです。
この記事は、ニュージーランドのビジネス系無料雑誌「KIWI TIME Vol.120(2020年4月号)」e-book版に掲載されたものです。