おもてなしの心|TEA CEREMONY time

 

2020年の東京オリンピック招致のプレゼンテーションでの「お・も・て・な・し」の言葉を覚えておいでの方も多いでしょう。 この言葉を正確に表現する英語は無いように思われます。それは、「相手の心情を慮(おもんばか)り、形容されない想いに心を寄せて、その心に応えるよう振舞う」という事、その精神を表現する伝統文化の代表が「茶道」と云えましょう。

 

茶道の「おもてなしの心」は、千利休の茶の湯の心得、七則の「夏は涼しきよう、冬は暖かきよう」にも表わされています。例えば、暑い夏には涼を感じて頂けるよう、口の大きく開いた「平茶碗」を使い、寒い冬には暖かさを感じて頂けるよう、口の狭くて深い「筒茶碗」でお客様をもてなします。

茶道には二つの心の交流があります。一つは、「精一杯の気持ちをこめてお客様をおもてなしする」という、亭主からお客様への、もう一つは、「その気持ちを受け止め、亭主への感謝の気持ちを伝える」お客さまから亭主への心です。この「お互いを思いやる心の交流」が茶道の一番大事なところなのです。

 

桜樹庵 庵主 松本陽甫:2012年よりChristchurch Avonheadにて茶道教室(表千家)主宰。季節の移ろいに心を寄せ、一服のお抹茶に心を伝える。月に2回のお稽古を通して、美しい所作を身に付け、日本の心を学びます。お問い合わせは、oujuan_nz@yahoo.co.jp 021-130-9619

 

この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.91(2017年10月号)」に掲載されたものです。
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