ワークビザの制度が大きく変わる2021年問題

少子化から発する超人手不足が2021年に日本を襲うと言われている2021年問題。NZでも別の2021年問題があるのをご存じだろうか?これからワークビザを取得して最終的に永住権取得を目指している方々にも、是非知っておいて頂きたい大幅改正について、本稿で説明したいと思う(ちなみに、2021年の改正を筆者が勝手に2021年問題と呼んでいるだけであり、見方によれば、得をするビザ申請者もいるため、一概に問題視しているわけではない事を言明しておく)。

さて2021年問題とは言ったものの、今年2019年10月8日から第一弾の改正が開始。年間300人限定で発給され、永住権へのパスウェイとなっていたSilver fern job search visa の撤廃、これまた永住権へのパスウェイとなっているTalent work visaの変更。

第二弾は来年2020年中旬頃(恐らく来年7月)。エッセンシャルスキルズWork visa申請の審査で使用されているANZSCOの撤廃、代わりにNZ平均時給(現在は$25.50)でスキルレベルを判断(平均時給より上ならばハイスキルド、下ならばロウスキルド)、ビザをロウスキルドで取得した場合、パートナーと子供のビジタービザ申請のスポンサーになることが出来る。

第三弾が問題の2021年(恐らく7月)。ここからガラッとワークビザシステムが変わる。

出典:Immigration New Zealand(https://www.immigration.govt.nz/documents/about-us/changes-employer-assisted-temporary-work-visas-migrants.pdf

まず、3段階システムとなり、第一の壁「Employer Gateway」、雇用主がきちんと移民法、雇用法を順守しているかがチェックされ、満たしている場合は、Employer accreditation(EA、雇用主認定)が発行される。その条件を満たしている場合は、第二の壁「Job Gateway」に進む。ここでNZ平均時給の2倍の給料をもらう場合はそのままクリアである。平均時給以上か以下か、雇用される地域等でビザの発給期間とNZ人がいないかどうかのテスト(求人広告を掲載するなど)の内容も変わってくる。

第三の壁「Worker Gateway」、ビザ申請者が健康面に問題ないか、仕事に必要なスキルや学歴を持っているかという、申請者本人についてのチェックだ。

本稿では、EAに限定してお話したい。

ここでのポイントは、Gatewayの最初の壁で、まず移民法と雇用法をキチンと遵守している雇用主なのかチェックがされるということ。つまり、雇用主がビザサポートするに値するかという事が一番の優先事項であるということだ。移民アドバイザーと弁護士向けの限定セミナーにて、移民ポリシー部長Roguski氏は雇用主を「Core client」と呼び、雇用主に対して友好的な姿勢を打ち出している。

アクレディテーション(認定)を取得して、EAをクリアするという方法を取る(3つの種類があるが、派遣会社に適用される認定についてはここでは省く)。

スタンダードアクレディテーション(標準認定)は、雇用主が5人以下の移民をサポートする場合に申請する。ビザを持っていない移民を働かせたことがあるか?雇用契約書通り賃金を払っているか?などの簡単な回答をもって審査される。ハイボリュームアクレディテーション(多数移民を雇用する場合の認定)は、6人以上サポートする場合に適用され、標準認定でされる質問に加え、NZQA資格を含むNZ人をトレーニングしているか、給料を上げる努力をしているかなども審査される。

現在Talent workビザのEAは、申請料として$2,130発生するが、2021年の新しい制度下では、申請費用が半分以下になると言明している。移民を1人でも雇う予定のある雇用主の中には、EA申請が集中する2021年を避け、今からでもEAの申請をしておこうと考えるかもしれないが、今のところは、新たなEAについての情報の詳細が開示されるまでは、待っておく方が得策かと思う。前述の移民ポリシー部長もEA取得を含む今回の改正については、「パニックになる必要はない」と話す。現段階で雇用主が留意しておくべきことは、2021年の申請時までに、移民法、雇用法を順守し、EA申請にひっかからないことである。

この改正は、ビザ申請者にとってもメリットがある。2021年7月以降から、「御社は、EAを得られていますか?」と聞くだけで、この会社はサポートする権限が与えられているかのみならず、きちんと賃金や有休、代休を支払ってくれるか一定の判断ができる。また会社としても、雇用法、移民法に違反していた場合は、ビザサポートの権限をはく奪されるので、移民労働者に対してきちんと接してくれるだろうとの期待も持てる。

本コラムは、法的助言を目的としたものではありません。  

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