先月ご紹介した経費削減に引き続き、今回はプラスαで便利な機能を使って時間の短縮と経費削減にもなる会計ソフトをご紹介する。
会事務作業に時間が掛かる、本業に力を入れたい、数字を分析して経営に強くなりたいなど、事業をする上では切り離せない会計作業。これまで会計ソフトといえば、インストールして使用するタイプが主流だったが、現在ではクラウドを利用した会計ソフトが、増加傾向にある。
ニュージーランドの中小企業向けでは、MYOBとXEROの会計ソフトウェアが主に利用されており、どちらとも、簿記の知識がなくても、比較的簡単に操作可能なのがうれしい。入力した内容が反映される貸借対照表などのレポートや収支グラフなどから、ビジネスの動向を確認することもできる。また、自分で入力した内容を同時に会計士が見ることができるので、会計時間の削減、つまりは会計費用の削減にもなる(会計費が固定料金の場合を除く)。
インターネット環境が整っていれば、コンピュータやスマートフォン、タブレットなどで利用することができ、アプリ(App Store、Google Play)をダウンロードして閲覧や編集することも可能。
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各社の利用料金だけを見ると、MYOBが手軽に始められる金額があり、ダッシュボードの見やすさではXEROが優勢。機能については、ほとんど違いがなく、共通するものが多いので、利用する側の事業規模によって決めたり、サポートとの相性が決め手になるのかもしれない。
アップデート不要:
クラウドを使用した会計ソフトのいいところは、アップデートをしないで最新バージョンを利用できるところ。各社とも自動でアップデートされるので、定期的なアップデートやデータのバックアップをする必要がなくなる。
複数の担当者で同時アクセス:
サービスを利用するためのユーザー名とパスワードを入力すれば、使用する端末や場所を問わず、いつでもどこでも利用が可能。経費の入力は、XEROはStandardから1人のユーザーを含み、追加ユーザの場合は5ドルが課金される。
請求書発行:
各社ともにStarterプランでは5件分の請求書をメールで送信することが可能で、それ以外のプランでは無制限で送信可能。利用プランでも異なるが、XEROでは、複数の外貨での請求書発行も可能。
銀行取引と一致:
発行した請求書や経費(支払い予定の請求書や領収書)と銀行取引や現金の入金記録と連動させることができる。各社ともStarterプラン(MYOBは25件、XEROは20件)で件数の制限があるが、その他のプランでは無制限で利用可能。MYOBは、規定を越えると加算される。
給与の支払い:
MYOBは最初から給与支払い機能が1人分含まれており、無制限プランの場合は給与支払いも無制限に。XEROではオプションになり、1人目が10ドル、追加毎に1人1ドルが加算される(200人まで対応可)。
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使い方はカンタン、ラクラク管理
2006年、ニュージーランドで開発された会計ソフトウェアのXERO。棒グラフなどの見やすさと使いやすい事もあって、利用者は1.5milionを越える、注目のクラウド会計ソフトウェア。ここでは、入金管理や請求書発行、レポート閲覧などの便利な使い方を徹底ガイドする。
Dashboard
銀行残高や収支をリアルタイムに把握できる。銀行取引のほか、PayPal取引などの設定も可能。
Reconcile
銀行取引が自動的に取り込まれる為、支払い予定の請求書や領収書などを予め設定しておくと、自動で仕分けが生成されるため、後はリコンサイルするだけで処理が終了。ゲーム感覚で楽しい!
Sales
オンラインで顧客に請求書や見積書の作成からメール送信まで一覧で表示可能。入金機能と連動しているため、売掛金の未回収分も明示される。設定しておく事で、未入の請求書を自動で再送する事も可能。
Profit&Loss
損益計算書や貸借対照表、収支報告などのレポートなども一目瞭然。大まかなGSTリターンの数字を確認することもできる。
収支項目を間違ってセットアップすると、修正に時間が掛かるため、会計費用が上がったり、無駄な税金を払ったりする事になるので、最初にきちんとセットアップする事が必要がある為、会計士や各種専門家の助言を受けながら進めることをおすすめする。
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この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.109(2019年4月号)」に掲載されたものです。