私が楽しいときには、その星は、空で一緒に笑ってくれます。
落ち込んだときには、私の枝の中まで降りてきて、黙って暖めてくれます。
泣いてしまうときには、そっと口づけるように涙をぬぐい、歌を聴かせてくれます。
そんなことが、もう、何十年も続いているのです。
私は、相変わらず同じようなことで笑い、
同じようなことで落ち込み、
同じようなことで涙を流します。
星も、変わらず、同じように光ってくれます。
あるとき、私は言いました。
「少しも変われなくて、ごめんね」
すると星は、少しはにかんで答えてくれました。
「僕は、ずっとずっと前から君を知っているんだよ。土から顔を出すよりも、ずっと前から」
驚いて声も出ずに目を合わせる私に、星は、
「君は、あのときからずっと、毎日変わっているし、少しも変わっていないよ」
と、はにかみを微笑みに変えて続けました。
「いいじゃない、それで」
と、また頭を揺らして歌いながら。