たちあがる女(Woman at war)

北極圏のすぐ南に位置し、人口35万人弱、人口密度3人/㎡、唯一馴染みがあるのがビョークぐらいという、最果ての北国、アイスランド。そんな小さな国だが、やることはでかい。「世界で最も汚職が少ない国」、「歴史上、一度も軍隊を保有していない国」、そして、この世界情勢の中、堂々とした捕鯨賛成国で、国家で商業捕鯨を容認している。

そして女が強い!国際経済フォーラム(WEF)が毎年発表している“世界ジェンダー・ギャップ指数(GGI)”では10年連続首位をキープ、「世界初の民選の女性大統領」や「世界初の同性結婚をした女性首相」を誕生させており、現首相も41歳、3児の母であるカトリーン・ヤコブスドッティル。

そんなアイスランドからやってきた、武器を持たない最強の女の映画、「たちあがる女(Woman at war)」。アイスランドの片田舎で、合唱団講師をしているハットラ(ハルドラ・ゲイルハルズドッティル)は、実は周囲に知られざる環境活動家“山女”の顔を持っていた。彼女は、地元のアルミニウム工場に対し、孤独な闘いを繰り広げていた。そう、環境を守る戦争を。そんな折、長年の希望だった養子を迎える申請が受け容れられ、ウクライナから子供がやってくるという。子供のためにも、美しい環境を守らなければ!アルミニウム工場と決着をつけるため、ハットラは最終決戦の準備に取り掛かる。

処女作「馬々と人間たち」で注目を集めた、アイスランドのベネディクト・エルリングソンが監督・脚本を手掛け、見事カンヌ国際映画祭の批評家週間で、SACD賞を受賞。実生活ではなかなか目のできないアイスランドの風光明媚な自然と、ポリシーを持った強いアイスランド女性に、銀幕で出逢える貴重な作品。

この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.109(2019年4月号)」に掲載されたものです。

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