ニュージーランドの日本語学習者数は減少傾向が続いています。日本語教育活性化のために、カンタベリー地方の高校生を対象とした日本語ワークショップを高校と大学の日本語教師たちがコラボで企画・実施しています。
今年で6回目を迎えたこのワークショップには、カンタベリー地方の15の高校から380人の高校生(11—13年生)が参加しました。外国語関係のイベントとしてはニュージーランド国内最大規模です。
基調講演は、カンタベリー大学卒業生のMahaさんにお願いしました。Mahaさんは中学で日本語を勉強し始め、高校生の時にこのワークショップに参加し、カンタベリー大学に進学してからは日本語を専攻、昨年はティーチングアシスタントとしてこのワークショップに参加してくれました。日本語との出会いや学習方法を含め、高校生の心をつかむ素晴らしい講演をしてくれました。
基調講演のあと、生徒たちは各高校混成の小グループで3時間の日本語の集中授業を受けました。ワークショップの最後は大講義室に戻り、和太鼓グループ「巧」の演奏を聴いてから、今年のテーマ曲「やってみよう(Wanima)」を参加者全員で踊りました。
このワークショップは、異なる高校で日本語を学んでいる高校生たちが、共に学び、日本語でつながる貴重な機会となっています。この機会が日本語学習意欲を高め、つながりから得たものがそれぞれの学びとして大きくなっていくことを願っています。
荻野雅由:カンタベリー大学人文学部日本プログラム、レクチャラー。ニュージーランド日本研究学会(JSANZ)副会長。ワイカト大学人文学部応用言語学科博士課程修了。博士(応用言語学)。言語習得と日本語教育学に興味を持っています。
この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.99(2018年6月号)」に掲載されたものです。