いきなりだが、シェフは2、移民局オフィサーは4、さて何のことだかお判りだろうか?実はこれ、ビザ審査でポジションを決定する際に参照されているANZSCOが定めるスキルレベル。1がスキルが一番高く、5が最も低い。1-3までがスキルドジョブと言われている。個人的には、オフィサーはスキルレベル1でないといけないと思っているが。
ただ、2020年7月以降から、このANZSCOがエッセンシャルスキルズワークビザの審査では使われなくなることが発表されている。代わりに、NZの平均時給を超過しているかどうかでスキルレベルが測られるという。
しかしながら、技術移民永住権審査では、相変わらずこれが使われる予定。
また、このANZSCOも最新版にアップデートされた。一番の目玉は、旧レベル4の特定ポジションが、即日、例外的にレベル3にアップグレードされることになった事だ。
例として、チャイルドケアワーカー、ツアーガイド、旅行コンサルタント。これらのポジションに就いている方はこれまで、特定の場合を除いて、永住権申請すら出来ない状態だった。しかし、このアップデートにより、時給がNZ平均時給以上であれば、一応永住権につながることになった(注:その他条件あり)。
しかし、逆に永住権が遠のいてしまったのは、スキルレベル4への格下げが決まったクック。2020年7月の改正以降は、ほとんどの場合、永住権の申請条件自体満たしていないことになる。
実は一番油断できないのが、現在シェフで働いている人なのだ。なぜなら、改正後は、シェフで雇用されていても、仕事内容がクックと移民局に認定される恐れがあるからだ。更に、他のポジションも、ANZCOを使った永住権審査で、突然スキルレベル4以下にダウングレードされる可能性は多々ある(実際、著者は、ダウングレードされそうになったクライアントさんを救ったこともある)。本気で永住権取得を目指している人は、今以上に、ワークビザ申請からアドバイザーや弁護士を利用した方がよい。永住権申請からアドバイザー等を使っても、過去のワークビザ申請内容を弁護するのが不可能に近い事があるからだ。
このコラムは法的助言を目的としていません。