ニュージーランドの自主隔離措置とビザへの対応策

NZの経済に影響を与えるであろう措置が3月14日にアーダーン首相によって発表、3月16日午前1時に発効した。南太平洋諸国以外から到着した全てのNZ入国者に、14日間の自己隔離を義務付けるという。違反者には、強制送還も辞さないとのことである(Newshub、3月16日。ただし移民法上、基本的に、即時強制送還することは出来ない)。発効日から16日後に見直されるとのことだが、その後も延長される可能性が高い。一番懸念していることは、自己隔離に留まらず、日本人の入国禁止にまで拡大されることである。

(*編集者注: 上記発表後の3月19日23時59分より、ほぼ全ての外国人に対して入国禁止措置を発効した。これまで自己隔離措置の対象外であった太平洋島嶼国にも適用される。)

この先、特に留意して頂きたいことがある。

1.とにかく、早めにビザの申請をする事。審査の遅延が生じているため、移民局では、失効日3か月前までにワークビザ申請を完了することを推奨している。

2.首相自らも、リーマンショックよりも深刻な不景気が来るとコメントしていることもあり(RNZ、3月16日)、今後、労働時間がカットされることも予想される。もし、契約書に規定されている時間を下回る時間で働いた場合、雇用法違反と判断され、以降のビザ申請が却下される可能性があるため気を付けてほしい。

3.打撃を受けそうな産業への就職活動はなるべく避けること。

4.もしもリストラされてしまった場合は、すぐに他のビザに切り替えるか、一時的に帰国し、不法滞在になることを避けること(リストラ後、ビザサポートされた会社のみで働けるワークビザで滞在していると、強制送還の対象になる)。

5.永住権を目標にNZに滞在しているが、就職に苦戦している場合は、NZの資格取得を検討すること。

本気で永住権取得を考えている方は、移民法律相談を受ける事を強くおすすめする。暗い中で光がみえてくるかもしれない。

本コラムは、法的助言を目的としたものではありません。

この記事は、ニュージーランドのビジネス系無料雑誌「KIWI TIME Vol.120(2020年4月号)」e-book版に掲載されたものです。

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