2017年の技術移民、エッセンシャルスキルズ就労ビザ(ESWV)の大幅改正があったのは周知の事実かと思います。最低年収に達していないと、 マネジャー職等のハイスキルジョブでも見なされない、永住権のEOI申請時には160ポイント以上が必要、ESWVでは家族のビザサポートができなくなる等、改正内容が厳格化されました。
市長も認める程、移民の労働力に”完全”に依存しているクライストチャーチ市などの都市、運送業、ホスピタリティー、ヘルスケア業界からは、 以前から改正が与える打撃について懸念の声が挙がっていました。それでも導入に踏み切った理由としては、2017年9月の国政選挙前に、移民数の増加を懸念するNZ世論に応える必要性もあったからではないでしょうか。改正後の技術移民申請者数が 改正前よりも大幅減になったという事で、その影響は確実にあるようです。
最低年収を「この国の中間年収を基準にする」という事ですが、インフレ傾向にあるこの国では、毎年賃金の上昇が予想されます。また最低年収だけでなく、市場賃金もクリアしなければならず、マーケティングマネジャーで申請する場合は、年収$75,000を下回ると、スキルジョブと見なされなくなる可能性が高くなります。つまり、このまま行けばビザ申請に関して、申請を遅らせれば遅らせるほど申請条件が難しくなる、という事が予想されます。早い段階で、専門家にご相談ください。お金はかかりますが、その価値は十分あると思います。
この記事は、ニュージーランドの日本語フリーペーパー「KIWI TIME Vol.97(2018年4月号)」に掲載されたものです。